商流とは

IT業界で派遣やSESをしていると「商流」という言葉をよく聞きます。

IT業界以外では商流とは、商品の情報、金銭、所有権などの流通を意味します。

物理的な商品の流通は「物流」呼ばれますが、物理的でない流通を「商流」と呼ぶわけです。

英語では物流がphysical distribution、商流がcommercial distributionと呼ばれます。

それに対し、IT業界でいう商流とは技術者、つまり人間を商品のように流通させる意味で使われています。

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請負の商流

日本のIT業界は派遣やSESばかりではありません。

請負契約で自社の事業所で開発する会社も一応存在しています。

そのような会社はすべての開発に対応できるだけの社員を在籍させていません。

理由は「開発の生産性を高めて少人数でも開発できることを目指しているから」ではありません、残念ながら。

自社の社員より「原価」が低いSESや派遣を使うことで「原価率」を下げ、利益を増やすためです。

社員の原価とは給料、ボーナス、会社が支払う社会保険料、退職金の積立はもちろん、事業所費用、営業や経理など間接部門の費用などを技術者数で割った費用も含まれます。

立派な事業所、立派な営業や経理などを持ち、請負で受注できる会社の技術者の「原価」は高いのです。

下請け

顧客と直接、請負開発契約を結んだ「技術者の原価が高い会社」は自社で開発しきれない分を切り出して、別の会社に下請けに出します。

下請けの会社がさらに下請けに出す場合もあります。

このIT業界の下請構造の商流は建設業界に似ていると言われています。

しかし、請負は発注側も受注側もスキルが必要であるため、実際にはこのケースは多くありません。

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派遣契約でIT商流はストップする

請負開発する会社、または自社開発するメーカーに技術者を派遣します。

請負開発では、一次請け、二次請け、孫請け、曾孫受け、、、といった商流があります。

しかし、派遣には一次派遣、二次派遣などといった商流はありません。

技術者を派遣先からさらに別の会社に派遣することは「二重派遣(多重派遣)」として労働基準法第6条で禁止されているからです。

ちなみに厚生労働省が「長時間労働削減に向けた取組」で公表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」、いわゆるブラック企業リストには労働基準法第6条に違反した企業、つまり二重派遣を行った企業もリストされています。

派遣契約でIT商流はストップするはずであり、もしストップしなければそれは多重派遣という違法行為となります。

SESならIT商流が止まらない

前述のように技術者を派遣先からさらに別の会社に派遣することは「多重派遣」として労働基準法と職業安定法で禁止されています。

しかし、SESは派遣契約でなく準委任契約(請負の一種)ですから、SES会社の技術者を別のSES会社を経由してさらに別の会社に常駐させても多重派遣にはなりません。

その場合、技術者の常駐先の会社から中間のSES会社にSES料金が支払われます。

中間のSES会社は受け取ったSES料金から管理料を差し引いて、下の商流のSES会社に支払うわけです。

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派遣
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